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関東平野の中世

関東平野の中世 ―政治と環境―



簗瀬大輔著  7,500円(税別)
A5判・390頁 ISBN978-4-86215-150-6


関東平野で領域支配を主導する地域領主や地域国家と呼ばれる権力は、大河川という自然条件をいかに政治的・軍事的・経済的に機能させながら、地域を統治していくのか。村落を主導する人びとは、広大な台地や山麓という自然条件をいかに生活・生業に関連させながら、地域社会を作っていくのか。さらに領主権力と地域社会の双方は、こうした自然条件を軸にどのような秩序を形成していったのか。本書は中世関東平野固有の自然条件としての大河川と林野に注目して、それをめぐって展開する政治と社会の特質について叙述したものである。


主な目次


序 章 本書の課題

   第一部 国境河川地域の政治と文化
第一章 新田荘の国境河川地域― 岩松氏の権力基盤―
第二章 新田領の形成と渡良瀬川―横瀬氏の権力基盤―
第三章 戦国期渡良瀬川の洪水と水運―横瀬・長尾領国の環境―
第四章 中世仏教の地域的展開と利根川
補 論 中近世における渡河点寺院の一事例―糟川寺と天増寺―

   第二部 関東の地域構造と利根川
第一章 中世上野の地域構造と利根川―東上野と西上野―
第二章 戦国大名の国境政策と利根川―「川辺」の考察―
第三章 戦国期関東の地域認識と利根川―東関東と西関東―
第四章 厩橋城と利根川―象徴性と機能性の観点から―

   第三部 林産資源の利用と地域社会の成立
第一章 中世村落における平地林の機能と景観
第二章 戦国期桐生領の林産資源と生業
第三章 中世の屋敷林と境内林―象徴性と資源性の観点から―

終 章 中世地域史研究と現代社会


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