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中世的九州の形成
小川弘和著 6,000円(税別)
本書では、荘園制・領主制に立脚した中世日本の国家・社会体制の展開・変容を、九州という具体的場に即して考察し、「中世日本」のなりたちを問う。大宰府を軸とする中世的再編と九州支配の大枠を論じ、島津荘の成立と展開を南西諸島との相互関係で探り、荘園制の枠組を都鄙間関係のもとにある地域の政治史の集約とみる立場で考察を試みる。九州が「アジアのなかの中世日本」の中でどのような役割を担ったのか、本書によって明らかになる。
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序 -本書の位置と構成- 第一部 大宰府と九州 第一章 府官系武士団の展開と肥後国 第二章 大宰府の再生 -十一世紀における公卿長官制の成立と対外関係- 第三章 白河・鳥羽院政期の大宰府と府目代 第二部 荘園制と地域編成 第四章 摂関家領島津荘と〈辺境〉支配 第五章 院政期の肥前社会と荘園制 第六章 瀬戸内海沿岸部の荘園制と平氏-石清水領・賀茂社領を中心に- 第三部 肥後国の中世史点描 第七章 平安時代の球磨郡と造寺・造仏 第八章 大野別符の成立と展開 終 章 荘園制と「日本」社会-周縁からの中世- あとがき/初出一覧/索引 | ||