日本の古代山寺
久保智康編 7,500円(税別)
古代の山寺や神社にどのような神仏が祀られ、人々は何を願って参詣したのか? 山寺をとりまくすべての人々にとって、そこは宗教的にどんな場所だったのか? 宗教者の修業の場だと見る評価ではなしに、本書では山寺の本質をめぐって、座談会で問題意識を共有したあと、考古・文献・美術・建築の専門家9人が独自の目線で追究する。
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序 古代山寺の本質と多様性理解に向けて………………久保智康(京都国立博物館名誉館員) 第1部 座談会 古代の山寺を考える プロローグ 石清水・神峯山寺・本山寺の見学/用語の使い方
1 山寺の成立事情 飛鳥・藤原京の周辺/比曽寺と自然智/古代山寺の成立はいつか
2 山寺の空間構造 平地寺院と山寺の構造/天台の山寺の個性
3 山寺の儀礼と修行 天台の止観業と遮那業/遺物からみた儀礼と修行/なぞの古密教/修験の要件
4 山寺の仏像と神像 薬師・観音・毘沙門天/平安の千手観音、仏像群と本尊の配置/本尊の効験/牛頭天王・蔵王権現
5 山寺に集う人々と宗教機能 文献史学の問題点/古代国家の仏教政策と山寺/中世山寺の成立/悔過の目的/民衆への仏教の浸透/関東の村落内寺院と山寺
エピローグ第2部 山寺の歴史的展開 宮都と周辺の山寺―飛鳥・奈良時代を中心に―…………大西貴夫(奈良県教育委員会主査) 山寺と山岳祭祀遺跡…………………………………………時枝 務(立正大学教授) 山寺と神社の構成―神仏習合の空間論序説―……………久保智康(京都国立博物館名誉館員) 伊勢国近長谷寺と地域社会の胎動…………………………上川通夫(愛知県立大学教授) 里山と中世寺院―民衆仏教の展開―………………………菊地大樹(東京大学准教授) 室生寺からみた古代山寺の諸相……………………………井上一稔(同志社大学教授) 山寺と仏像……………………………………………………長岡龍作(東北大学教授) 蔵王権現をめぐる諸問題……………………………………藤岡 穰(大阪大学教授) 礼堂・板敷・夢見―平安時代初期の仏堂と参詣作法―…藤井恵介(東京大学教授) | ||