霞ヶ浦の古墳時代 内海・交流・王権
塩谷 修著 6,000円(税別)
現在の霞ヶ浦をはるかにしのぐ広大な内海が古墳時代の関東平野には広がっていた。本書では、この内海を「古霞ヶ浦」の概念で捉え、人やモノ、情報の混じり合う「交流」の場が筑波山を一方の軸として展開していたことを明らかにする。古墳時代には王権の東国進出を背景に古霞ヶ浦の世界に新たな秩序が芽生えていたこと、現代に引き継がれる地域社会の歴史的な特質がこの時代に形作られていたことを考古学の手法で検証する。
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序 章 古霞ヶ浦の提唱 ―地域史研究のまなざし― 第1章 弥生時代の土器棺墓 第2章 方形周溝墓の地域性 ―出現状況からみた地域の特質― 第3章 前方後円墳と築造規格 第4章 終末期古墳の地域相 ―桜川河口域にみられる小型古墳の事例から― 第5章 土浦入の古墳時代玉作り 第6章 埴輪の生産と流通 第7章 下総型埴輪の展開 ―日天月天塚古墳出土円筒埴輪の分析を通して― 第8章 古代筑波山祭祀への視角 ―内海をめぐる祭祀の連環と地域社会の形成― 終 章 古霞ヶ浦の形成 ―歴史的展開と地域社会の萌芽― あとがき 初出一覧 索引(事項・遺跡名) | ||