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琉球の中世

琉球の中世



中世学研究会編  2,400円(税別)
A5判・190頁 ISBN978-4-86215-196-4


琉球王国が成立する以前の12世紀から15世紀には、日本と中国のインパクトをうけて、ゆるやかに琉球列島の社会が変わってゆく歴史があった。交易と政治主体が分立していた時代を「琉球の中世」と捉え、考古学の情報と港・船の視点で読み解く本書では、通説が語ることのない島々の歴史を議論し、「古琉球」のイメージを一新する。


目  次



趣旨説明………………………………………高橋慎一朗(東京大学史料編纂所教授)

琉球列島史を掘りおこす……………………池田榮史(琉球大学教授)
琉球・沖縄史再検討の動き/土器文化に見る農耕社会への変化/搬入品の評価/琉球列島社会の変化/構造化したグスクの成立/貿易陶磁器の変化とその評価/おわりに
*池田報告 質疑討論(池田榮文・小野正敏)

集落からグスクへ……………………………瀬戸哲也(沖縄県立埋蔵文化財センター)
グスク時代初期の集落と地域性/交易型集落の多様性と特徴/農耕の展開と大規模化/グスクの形成と展開/おわりに

第一尚氏期における首里の外港を探る……黒嶋 敏(東京大学史料編纂所准教授)
はじめに/天久権現と聖現寺/泊里主と泊大阿母/「琉球国図」にみる首里の外港/おわりに
*黒嶋報告 質疑討論(黒嶋 敏・柳原敏昭・渡辺美季・瀬戸哲也)

交易船構造の革新と琉球……………………木村 淳(東海大学海洋学部海洋文明学科講師)
はじめに/琉球の造船地/琉球船の航海性能/造船技術の歴史的展開へのアプローチ/琉球と東アジア海域造船史の視点/グスク時代の東シナ海域の航洋船/琉球王国時代のハイブリット型航洋船の隆盛/結語―琉球船についての考古学からの検証
*木村報告 質疑討論(木村 淳・荒木和憲・出口晶子)


討  論……………池田榮史・黒嶋 敏・木村 淳・村井章介・小野正敏・宮城弘樹


座談会 中世の琉球…………………………小野正敏・高橋慎一朗・池田榮史・村木二郎
島々をつなぐ鎖のネットワーク/大和系文化の第一波/グスクを考える/三山時代から琉球王府まで

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